7月 27, 2015

tamaki niime
ふわり自由になれる、あふれる色と心地よさ

tamaki niime <br>ふわり自由になれる、あふれる色と心地よさ

初出: amirisu 7号 2015年

Text by Aki Miyashita / Photos by Masahiro Kohda

 

 

tamaki niime のショールやウエアは、色にあふれていて、ふんわり軽く、やわらか。着心地よく、おしゃれに決まって、一度身につけると手放せなくなる。実際に使っている実感です。

デザイナーの玉木新雌さんは播州織の産地・兵庫県の西脇市に移り住んで7年。自ら織機を使うことで、思い描くままを形にしています。 

「以前はシャツを軸にしていてオリジナルの生地で作りたかったのですが、ロットが大きくなかなか難しくて。唯一引き受けてくれたのが、西脇の織物工場。力になってもらいながらほしい生地をつきつめていったら、縫製できないほどやわらかく織り上がって。シャツには向かないけど、この生地なら魅力的なショールが作れると直感したんです」。 

ショールなら世代を問わず、ナチュラルにもモダンにもスタイルを選ばず楽しんでもらえる。それはまさに玉木さんが目指していた形でした。力になってくれた織物工場のご主人に「先に引退することになるから、自分たちでできるように」と後押しされ、織機を導入し、生地作りから縫製、販売まで自分たちで手がけるブランドへ成長していきました。 

 

「色は毎日選びます。経糸の色に合わせて230色の緯糸を織機4台分=1日80色くらい。これはもう直感です。同じものを100枚作るとなると吟味しないといけないけれど、ひとつの色の組み合わせから生まれるショールは1枚か2枚なので、無心で選びますね」。 

 

現在は島精機の編み機によるホールガーメントのニット、手織り機で作る敷物 “socosiki”なども手がけ、綿花の栽培もスタート。 

「マシンは大量生産を目的に開発されたものですが、私たちが目指しているのは少量多品種。人の手をかけてマシンを使い、上質な一点ものを作るという挑戦です。綿花の栽培は農薬を使わず、生きものに必要なミネラルを補って、なるべく自然のままで。ものづくりにこだわると行き着くのはやはり素材ですよね。作り手の私たち自身もすこやかでいられるよう食事にも気を配るようになりました。不透明な世の中だからこそ、私たちはクリアでいたい。直営店に工場を併設し、見学してもらえるようにしているのもそのためです」。 

作りたいのは、自分自身が身につけたいもの。そんなシンプルな想いが、魅力的な作品を生み出すのでしょう。

 

 

tamaki niime
兵庫県西脇市上野334
TEL:0795-38-8113
http://niime.jp

 編みたいものを探して雑誌を作り、素材に行き着いて糸屋をやっているamirisuとも共通点があるように思い、これからも注目していきたい作り手です。