フィンランドのアーティスト紹介:
モッラ・ミルズ
MOLLA MILLS
かぎ針編みデザイナー
フィンランドのかぎ針編みアーティストであり、作家でもあるモッラ・ミルズ。さまざまな色を使った、型にはまらないグラフィカルなパターンで知られ、世界中にファンがいます。Laine Publishingからの近著『Crochet Crush』は大きな反響を呼び、数カ国語に翻訳されています。
モッラの両親は筋金入りのDIY好き。何か必要なものがあると、店で買うのではなく、古いものを直したり改造したり、自分で作ったりするのが普通で、彼女はそんなクリエイティブな両親の元で育ったのです。その後、ファッションデザイナーや仕立て屋として修行し、数年間その分野で働いたのち、応用美術を学ぶために大学院に進みました。
そこで出会ったある教授から影響を受け、「かぎ針編みで何か大きなものを作ってみたい」と思い始めたことが、かぎ針編みアーティストとして歩みを進める第一歩になりました。
幼い頃からずっと、モッラの手は忙しくかぎ針編みの作品を作り続けてきました。なんと、大学の講義中まで編んでいたのです!編むことで彼女の集中力はぐんと高まり、そのことを教授も覚えてくれていました。その後、最終学年になって修士論文のテーマを探しているとき、彼女はかぎ針編みの本を作ることを思い付きました。グラフィックデザインと写真が得意な同級生と協力して完成させた本はその後、手芸本を扱う出版社から出版され、11カ国語に翻訳されました。
彼女が特に好きなのは、バッグを作ること。バッグが、自分を幸せにしてくれる可愛いアイテムであるというだけでなく、毎日使える実用的な面も兼ね備えていることが大好きな理由です。バッグを愛するあまり、人々がどのようなバッグを使っているのか、どのようにバッグで物を持ち歩いているのかにも興味津々で、新しい土地に行くと必ず博物館を訪れ、昔の人がどのような入れものを使っていたかの手がかりを探しているそうです。
彼女がかぎ針編みに専念するようになってから、もう10年以上が経ちます。その人気から世界中を飛び回り、多くのクラフト愛好家にかぎ針編みを教えてきましたが、ワークショップに参加する人々の文化的多様性に触れることも大好きだとのこと。最近リリースされた『Crochet Crush』は世界中の毛糸屋ネットワークを通じて新しい読者の元にも届いたということで、再び世界を旅してワークショップを開催することを楽しみにしています。
現在の彼女の情熱は、ヴィンテージのセーターをほどいて毛糸にしたり、古いテキスタイルからストリップ状の布を作ったりして得られる、リサイクル糸を使った本を作ること。
クリエイティブなエネルギーに満ちた彼女の明るいスタジオで、今後どのような作品が生み出されるのか楽しみでなりません!
Website: mollamills.com
Instagram: @molla.mills
Photos by Meri Tanaka Jamison