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こんばんは。
初心者スタッフの疑問をトクコ先生にどんどん質問していく企画、Kniting for Beginners!、2回目のお届けです。
今回は、毛糸の加工やロットについて。毛玉になりにくい糸、洗濯機で洗える糸はどんなもの??せっかくだから、用途に合わせて適切な糸を選べるようになりたいものです。
Youtubeはこちら!https://youtu.be/Bg98zUxSa0c
ビギナーの皆さまからの質問も受け付けています。モヤモヤを解消したい方、ぜひお便りをくださいね。https://amirisu.typeform.com/to/IYyCTYFV
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質問1:スーパーウォッシュとノンスーパーウォッシュの違いとは?
スーパーウォッシュ=防縮加工処理をしているものノンスーパーウォッシュ=防縮加工をしていないもの
です。
防縮とは、文字通り縮むのを防ぐ加工のこと。例えばamirisuのTrekは、防縮加工したウールが70%含まれており、スーパーウォッシュの糸ということになります。
ニットの洗濯をしていて、急に毛が硬くなったことはありませんか?それが「フェルト化」という現象です。毛はもともと毛羽立っているのですが、洗濯をすると繊維同士がくっついて結びつきが強くなり、縮んだり硬くなったりするという性質があるんです。
防縮加工はそれを防ぎ、洗濯機で洗っても縮みにくくなります。だから、よく洗う靴下はスーパーウォッシュがありがたい。靴下をいちいち手洗いするのは嫌ですよね。
子供のものもスーパーウォッシュで編むのがおすすめです。
何度も何度も洗っていると、スーパーウォッシュでもいつかはフェルト化してしまうと思いますが、例えば2回でフェルト化してしまうのか、50回持つのか、回数に差があると思います。
質問2:スーパーウォッシュでもネットに入れて大事に洗った方がいい?
それはそうです。摩擦が少なければ少ないほど、フェルト化への道は遠ざかります。
例えば、私はいつも靴下はネットに入れて洗濯機の冷水モードで洗い、陰干ししています。4~5年履いているものでも、まだ使えています。
質問3:暖かさの違いはありますか?
はい。スーパーウォッシュは毛羽立ちがないから暖かさには欠けます。毛羽立ちを抑えているということは、毛が当たる表面積が少なくなり、寒いということ。La Bien Aimeeのスーパーウォッシュメリノで編んだショールを持っていますが、そこまで暖かくないので、冬ではなく春秋用に使っています。
質問4:手触りに違いはありますか?
手触りと防縮加工は違う問題です。防縮加工をしている方が肌触りがいい、悪いとは一概には言えない。羊の種類にもよるので、触ってみて好きなものを選んでいただくしかありません。
質問5:毛玉が出来やすいのはどんな糸ですか?
毛玉の出来やすさは、一つは撚りの強さによります。撚りが強ければ強いほど、毛玉ができにくくなることが多いです。1plyのふわふわのものは、編みやすいですが毛玉になりやすい傾向があります。
また、同じ糸でも編み方によって毛玉の出来やすさが変わることもあり、きつく編んだ方ができにくいです。
ただ、毛足の長さや、糸の素材にも左右されるため一概に言うことは難しいです。
編めば編むほど糸の特徴を覚えるので、たくさん編んで、どういう目的で何を編むかによって糸を選べるようになるといいですね。
質問6:タグに書いてある「ロット」とはなんですか?
毛糸を染色するときの鍋、釜についている番号です。製造番号のようなもの。
ロットの番号が同じものは、同時に同じ釜で染めたということ。手染め糸ではない普通の糸でも、釜が違うと色味が少し変わってしまったりするのです。ちょっとした条件の違いに影響されるんですね。
タグには、このように載っています。
そして、カセごとに色が微妙に違うと何が困るのか。
編んでいるときは全く気にならなくても、出来上がった作品を遠目で見たり写真に撮ったりすると、びっくりするくらい色の違いが出てしまう時があるんです。セーターがしましまになってしまうので、ロットを揃えて買うのが無難です。
作品を編むのに必要な毛糸は、まとめて着分すべてを買うようにしましょう。
質問7:買い逃したら、もう同じロットの糸に出会うのは難しい?
難しいと思います。もしロット違いしか手に入らなかった場合は、ロットの違うかせを、袖や後身頃など目立たない部分に持ってくるのがいいと思います。
上級者の方は、色の違いをあえて生かす手もあります。
質問8:手染め糸にロットはありますか?
ロットはあるものの、ロット管理をしていないのではないでしょうか。同じ釜で4~5かせしか染められないので、つけていないメーカーが多いのだと思います。スペックルについては、ひとかせごとに全然違うのでロットはありません。
質問9:ベースとはなんでしょうか?
ベースは、生地糸のこと。染めていない元々の毛糸は、羊毛そのものの色をしています。白やベージュ、グレーのような色です。お店に並ぶカラフルな糸は、その生地糸に染色を施したもの。
大きなメーカーや、こだわって毛糸を作っているメーカーは、自分たちで紡績工場と話をして一から生地糸を作っているところもあると思います。しかし、小さなメーカーや個人で手染め糸を売っている人たちは、生地糸を作っている会社から糸を買い、それを染めていることが多いかと思います。
だから、あのメーカーの◇◇という糸と、このメーカーの◆◆は同じ生地糸を使っているな、、というのが私は毛糸を見ると分かります。普通の方は分からないかもしれませんが。
ちなみにamirisuは生地糸から作っています。他には出回っていないオリジナルのベースです。
編み物は、とってもマニアックではあるけれど、自分で素材を選ぶところから始められる楽しい手芸。最初は難しいですが、どんな作品を作りたいか想像しながら、楽しく毛糸を選んでいただけるとうれしいです。失敗を恐れず、経験を積みましょう。