Yarn We Adore
DyeForYarn
お気に入りの糸ブランド: DyeForYarn
Interviewed by Meri
初出: 2013年amirisu 2号
今回のamirisuではドイツのカリスマ染色ユニット、Dye For Yarnを紹介します。DyeForYarnのシルク糸で編んだショールを、Ravelryで見かけた方もいらっしゃるかもしれません。Etsyの2つのショップに始まり、2011年には路面店もオープンさせた、彼女たちの道程と情熱について聞きました。
(ブランド名はDyeとDieを掛けていて、「糸を染める」と「糸のために死ぬ」のシャレになっています。そんなユーモアについてもインタビューをご覧ください。)
amirisu: ショップのプロフィールかどこかで、あなた達はかつて職場の同僚だったって読んだんだけど、どんな経緯で一緒にビジネスを始めることになったの?まずは編み友だったとか?
DyeForYarn: 私達はもともと生物科学系の研究所の同僚だったの。最初に編み物にはまったのはNicole。レースのショールを編み始めてからすっかり夢中になって。Cordulaもすぐに編み始めたんだけど、二人とも欲しいと思うような糸や色が見つからなくて、それで自分たちで染めてみることにしたの。
amirisu: 研究所での仕事は今でも続けているの?昼間の仕事と糸の仕事、どうやってバランスをとっている?
DyeForYarn: 染色に集中できるよう、研究所は1年以上前に辞めたの。そして2011年11月にニュルンベルグ近くに実店舗もオープンしたわ。そこで染めもやり、糸を売っているの。
でもそこに辿り着くまでのあいだ、しばらくは2つの仕事を掛け持ちしてそれは一生懸命働いた。それまで1年半くらい、全く休みも自由時間もなく24時間働き続けた感じだけど、後悔はないわ.
amirisu: なんだかamirisuをスタートさせた自分たちに重なっちゃいます。
色のインスピレーションはどこから得ているの?そして、色の名前がとてもユニークなんだけど、どうやって名前を付けているの?最初に面白いなと思ったのは、勿論糸の美しさもあるんだけど、ロゴと色の名前のウィットなの。
DyeForYarn: 最初は自分たちの洋服に合う好みの色を染めていたんだけど、すぐに殻を破ってオレンジ、イエロー、ベージュ等の色を使い始めたわ。自然や、街行く人々が着ている洋服など、目に入るすべてのものから未だ染めていない色を探している。時にはお客様からのリクエストもあるのよ。最近では「マスタードグリーン」を染めて欲しいっていうリクエストがあったり。
色の名前はモンティ・パイソンの「パロット・スケッチ」というエピソードから着想を得ているの。ジョン・クリースが買ったオウムが死んでいたって、ペットショップのオーナーに苦情を言うんだけど中々伝わらなくて、「死んでいる」を様々に言い換えて繰り返すシーンがあるの。このブラックなユーモアを活かして、私たちも同義語や言い換えを色の名前として使っているのよ。
amirisu: その中で、特にお気に入りの色や素材はある?読者へのおススメは?
DyeForYarn: 売っているものすべておススメだけど(笑)、特に好きなのはタッサシルク。中細もレース糸も。好きな色は二人とも全然異なるの。Cordulaは黒に近いダークな色や、オリーブやベージュ系が好きなんだけど、Nicoleはパステル系がお気に入り。皆さんにおススメしたいのは、自分の肌の色やワードローブに合う色を選ぶこと。そうすればショール(やその他の作品)が洋服に映えるでしょ。
amirisu: 最後の質問です。現在の仕事の中で一番楽しんでいることは何?また、大変だと思うことは?
DyeForYarn: 上司に指示されずに、商品でお客様をハッピーにすることができることが最高ね。様々な側面でとてもクリエイティブな仕事だし。
大変なのは、やっぱり生活を支えるだけのお金を稼ぐこと。ドイツ政府は私たちのようなスタートアップを支援してくれるので、助かってます。
amirisu: あなた方の勇気と一生懸命さを尊敬します。自立するって本当に大変だけど、でも得られるものも大きいと思う。話を聞かせてくれてありがとう!読者の方々にとってもインスピレーションになったのではないかと思います。それから、CordulaとNicoleが頑張っている様子は、amirisuとも共通点があるような気がして親近感が湧きました。
皆さんもDye For Yarnの糸で一度編んでみてくださいね。
Hirschenstr. 31
90762 Fürth, Germany
All photos courtesy of DyeForYarn.