6月 06, 2025

山形 クラフトシティガイド

山形 クラフトシティガイド

山形は東北地方の日本海側に位置し、東京からは北に300キロ、新幹線で約3時間、または飛行機で約1時間ところにあります。県内は、県庁所在地の山形市がある村山地域や日本海側の庄内地域など大きく4つに分かれ、それぞれ異なる風土と文化を育んできました。美しい山々に囲まれ最上川が流れる自然豊かな土地で、特に全国生産量の7割を占めているさくらんぼが有名です。

冬は山間部では雪が深く、スキーや温泉を目的に訪れる観光客が多い一方で、春から初夏は山々の新緑や果樹の花が美しく、散策にぴったりの季節。夏は気温が高いですが夜は比較的涼しく、秋には紅葉と収穫の季節を迎えます。四季折々の風景とともに、食や手しごとを楽しむ旅に最適な土地です。あちこち回るには、レンタカーを借りるなど車があると便利でしょう。

伝統工芸も盛んで、山形鋳物、庄内刺し子、紅花染め、米沢織などが今も受け継がれています。日本一の将棋の駒の産地として知られる天童市には、バタフライスツールで知られる家具メーカー、天童木工もあります。クラフト好きにはたまらない県といえるでしょう。

そして、山形は全国的にも知られるニットの産地。特に山形県のほぼ中央部、寒河江や山辺は、蔵王や月山から質の良い雪解け水が豊富に流れてくる自然豊かな地域で、戦後から続くニット工場が今も残っています。

近年では工場やメーカーの数が大きく減り、ニット産業に従事する人口も少なくなったといいますが、自社ブランドを立ち上げたり、培ってきた技術力を活かして新規路線を開拓したり、さまざまな工夫とともに日本のニット産業をリードする企業もあります。

今回私たちは山形を訪れ、いくつかのニットメーカー、じゅうたんメーカー、そして張り子作家さんにお話を伺うことができました。山形に直営店があったり、工場見学を受け付けていたり、楽しい場所ばかりでした。ぜひ記事を読んで、山形を訪れてみてくださいね。

 

インタビュー

「誰もやっていないことを」 山形・寒河江から世界へ、佐藤繊維

作り手と買い手の距離を縮めたい 米富繊維のブランドづくり

糸作りからメンテナンスまで 100年先も使えるじゅうたん、山形緞通

山形で出会った、かわいく不思議な張り子の世界 ArtDaifuku

 

amirisuチームが山形を訪れた際の様子をVlogにまとめました。
ぜひご覧くださいね。
https://youtu.be/qnDB5xhqVt4?si=PlqRE1wMUcfqftTE

 

おすすめの場所

 

Cafe Espresso

〒990-0021 
山形市小白川町5丁目18-12

1984年オープンの、国鉄の車両を店舗に改装したカフェ。店内には、店主の昌平さんとアケミさんご夫婦が世界中で集めてきた珍しい楽器やオブジェが所狭しと並びます。居心地の良い空間でお二人とおしゃべりして過ごすと、まるで別世界へ旅したかのような気持ちに。エスプレッソ等のドリンクのほか、手作りのパニーニやケーキもあります。

 

anori

〒990-0025 
山形市あこや町2-1-19

https://www.instagram.com/anori_cafe/
https://anoriproject.jp/

ネルドリップで丁寧に入れたコーヒーが自慢のカフェ。手作りのデザートやフォカッチャサンドも楽しめます。デザイン事務所でもあり、オリジナルのカバンや北欧で買い付けた食器、アーティストの作品なども扱っており、店内はかわいいものでたくさん。私たちがArtDaifukuの張り子作品に出会ったカフェです。

 

山形県郷土館 文翔館

〒990-0047
山形市旅篭町3丁目4-51
023-635-5500

https://www.gakushubunka.jp/bunsyokan/

1916年に建てられた旧山形県庁舎と県会議事堂を保存活用している施設。重厚な石造りの外観や美しく修復された内装が特徴で、国の重要文化財に指定されています。山形の近代史や郷土文化、建物の復元工事の過程などを紹介する常設展示は見応えがあり、勉強になります。

 

斎藤茂吉記念館

〒999-3131 
上山市北町弁天1421
023-672-7227

http://www.mokichi.or.jp/

歌人・斎藤茂吉の自筆原稿や愛用品、歌集、書簡など、茂吉の業績や生活を伝える資料が収蔵・展示されています。蔵王連峰を望む自然豊かな地に建ち、館内からは茂吉が愛した風景を一望できます。谷口吉郎、谷口吉生によって建築、増築・改修された建物も美しく、静かに時間を過ごすことができます。


立石寺

〒999-3301
山形市山寺4456-1
023-695-2843

https://rissyakuji.jp/

860年に開かれた天台宗の寺で、通称は「山寺」。1015段の石段を登ると、煩悩が消えると伝えられており、登り切ると山寺の町並みや周囲の山々を一望できます。また、1689年に松尾芭蕉が訪れ、「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の句を詠んだ地としても知られ、句碑が参道沿いに建てられています。

 

以下、インタビュー記事内でも紹介しているお店です。

 

GEA

〒991-0053
寒河江市元町1丁目19−1
0237-86-3930

https://www.gea.yamagata.jp/

ニットメーカー佐藤繊維が手掛けるセレクトショップ。工場として使用していた築100年以上の2棟の石蔵をリノベーションしています。世界の最新ファッションから山形の伝統工芸、ライフスタイルグッズまで、多彩なアイテムがそろいます。山形産の食材を豊富に使ったレストランGEA0053、厳選した日本酒と季節の料理を味わえる和食処 弦円庵も併設されています。

 

Yonetomi Store (ヨネトミストア)

〒990-0301 
東村山郡山辺町山辺1136 
023-664-8165

https://www.yonetomistore.jp/

「ファッションの産地直売」の可能性を模索する実験場として、ニットメーカー米富繊維の本社・ファクトリー内にオープンしたショップ。COOHEM、THISISASWEATER.、Yonetomiといった自社ブランドの他にも独自の目線でセレクトされたブランドが並びます。オンラインショップにはない、店頭限定商品を手に入れられることも。

 

山形緞通 工房・ショールーム

〒990-0301 
東村山郡山辺町山辺21
023-664-5811

https://yamagatadantsu.co.jp/showroom/

高品質のじゅうたんを作っている山形緞通の工房は見学が可能です。ショールームも併設されており、じゅうたんを実際に触ったり座ってみたりできます。小さな座布団サイズからオーダーメイドまで、幅広い商品を展開しています。見学には予約が必要です。