Knitting for Beginners! 6 ~編み始めよう〜
初心者スタッフの疑問をトクコ先生に質問していくシリーズ「Kniting for Beginners!」。
第6回は、編み始めた時に誰もがぶつかる悩みについて。
・作り目がねじれてしまう
・裏編みが緩くなる
などなど、皆さんからの質問も多かった内容です。
Youtubeはこちら!
https://youtu.be/Yx3q_4AmSqw
ビギナーの皆さまからの質問も受け付けています。モヤモヤを解消したい方、ぜひお便りをくださいね。
https://amirisu.typeform.com/to/IYyCTYFV
***
質問1:針の持ち方について。アメリカ式とフランス式、初心者にはどちらがおすすめですか?
おすすめは特にありません。自分がやりやすい方を選びましょう。
アメリカ式は、糸を右手にかける編み方。(多くの人にとって利き手である)右手で糸をぐっと引けるのできつくなりがちです。しかし、糸を引っ張って棒に添わせているため、目が揃いやすいです。
フランス式は、このように左手に糸をかけて編むやり方。私はフランス式です。指にかけた糸のテンションを保ち、右手に持った針で糸を拾っていきます。アメリカ式より緩くなることが多いです。
どちらが早く編めるかは、編み手の慣れによります。アメリカ式ですごく早く編む人もいるし、フランス式で綺麗に目をそろえて編む人もたくさんいます。
両方やってみて、やりやすいと感じた編み方をとことん練習して極めたらいいと思います。
そして、アメリカ式でもフランス式でもない編み方も存在します。私は、そういう生徒さんが来ても直しません。どんな編み方でもきれいに編めるならOKです。
質問2:編み込み模様を編むときは、アメリカ式とフランス式を両方使って編みますか?
両手に糸をかけてアメリカ式とフランス式を両方使って編むのが、おそらく一番早いのだとは思います。
しかし私は編み込み模様もフランス式だけで編みます。例えば2色の編み込みであれば、左手の人差し指に、2本の糸を少し離してかけて、必要な方の糸を拾って編んでいきます。
2~3目ごとに色が変わる場合はこれで問題ありませんが、同じ色がしばらく続く場合は、2本の糸を同じテンションで指にかけておくのが難しくなります。その時は1本ずつかけます。色が変わったら、指にかける糸も変えます。
少し手間に感じるかもしれませんが、私は慣れないアメリカ式で編むよりも、この方が結局早くてきれいに編めるんです。
よく考えるとそんなに早く編む必要はないですよね。早さより、出来上がりの美しさが大事。自分が一番きれいに編める方法を選択してください。
質問3:フランス式で、指にかける糸のテンションを保つのが難しいです。
難しいですよね。
私は、糸を薬指と小指でぎゅっと挟むことでテンションを保っています。小指や薬指に糸を二重に巻いている人もいますね。人によってまちまちで、標準のやり方はありません。
ただ、テンションを保つことはとても大事です。
いつも初心者の人に言うのですが、右手の動きではなく、左手の糸のテンションと針の角度で編み方が決まるんです。
テンションが保たれていると、針から目を抜きやすいし、目の大きさも一定に保たれます。針を抜く時のテンションによって、針に沿う糸の形が決まるからです。目が揃っている人はテンションがいつも一定なんだと思います。
自分の小さな世界が完結していればそれでいいので、難しいですが、正解は自分で見つけるしかありません。そのためには、練習しまくりましょう。
編み物は、自転車と同じ。練習して自分なりの「編み物の乗り方」を覚えてください。
質問4:表目に比べて、裏目が緩くなってしまいます。
それはあなただけではありません!私も裏編みが緩んじゃう派です。
裏は構造上あまり糸を引っ張れないため、裏の方が緩くなってしまう人は多いのだと思います。
なので、それはそれとしてゲージを取ればいいと思います。表がきつくて裏が緩くても、ゲージが成り立っていれば良しとしてしまう。
(でもそうすると、編み地が縞々になっちゃいませんか?)
縞々が気になるくらい緩さが違うのであれば、意識してテンションをきつく保つしかありません。
私も気を抜くと緩くなるので、注意して引っ張って編むようにはします。これも練習です。
質問5:指にかける作り目で、糸端の長さが足りなくなることがあり、悲しいです。どうしたらいいでしょうか?
これはメリさんが発見したのですが、途中で糸がなくなったら、新しい糸で作り目を足しても大丈夫。作り目が繋がっていなくても、2段目、3段目と編み進めていけば境目はあまり気になりません。
足りなくなったら、糸を一度切って、もう一回新たに始めてみてください。
他にもいいやり方がありそうなので研究中です。発見したらまたお知らせしますね!
そして、どうしても糸が足りなくなるのが嫌なら、これなら絶対安心!ぐらい長く糸端を出しておけばいいですよ。
質問6:針を2本合わせて作り目しますか?1本でもいいんですか?
日本の編み物本では、針を2本合わせて作り目するようによく書かれていますよね。
でも、それ、もう流行ってないです!
指定より少し太い針1本でやってください。
なぜ2本でやるように書いてあるのかというと、作り目がきつくなるのが嫌だから。私の想定ですが、昔はたくさんの針を買ってもらうことが難しかったので「同じ針で緩い作り目を作るには2本合わせたらいいんじゃないか?」ということで、推奨されたのだと思います。
でも、2本でやると緩くなりすぎませんか??
最近は付け替え輪針も普及して皆さん針をたくさんお持ちです。なので、例えば6号で作り目するよう書いてあったら、2号くらい号数を上げて8号1本でやってみたらどうでしょうか。
それで、次の段を編む時に6号に変えると、いい感じの作り目ができます。
質問7:作り目を輪にする時、ねじれないようにするにはどうしたらいいですか?
上手いやり方なんてありません!クリップで止めたり、きちんと広げてみたり、注意深く観察してねじれないようにするしかないです。
ただ、いつもみんなが失敗しているなと私が思うのは、2段目。1段目の時は、ねじれてないかな??と、ものすごい真剣に見ていると思うんです。でも2段目の時はうっかりして見ていない。
編み始めは編み地の幅が薄いので分かりづらく、2段目を編む瞬間にねじってしまっている人がいる。だから、ちょっと編んだら、ねじれていないかもう一度観察!
観察を定期的にしたら大丈夫だと思います。私は生涯でねじったことは1~2回しかありません。
あとは、マジックループだと難しいと思います。4本棒針とかでやった方がマシそうです。
そして、何段か平編みした後に輪にする方法もあります。平編み部分だけちょっと綴じはぎすればよく、絶対にねじれないので気が楽です。300、400目もある作り目の時はこの方法が安心。
作り目がねじれて心が折れてしまい、編み物ができない!そんな人にはおすすめの方法です。
質問8:作り目をすると、糸の撚りが解けてしまいます。どうしたらいいですか。
解けるのは仕方がないことです。そういうものです。
2本どり、3本どりで毛糸が絡まるのもしょうがない。誰でもそうなるので、しょうがないと思ってやってみてください。
トクコ先生、ありがとうございました!次回は仕上げについてお話します。