10月 10, 2024

とっておきの1カセ - Viola Sock

とっておきの1カセ - Viola Sock

 

この業界に身を置くようになって10年が経ちました。正確にいうと、雑誌amirisuを創刊してからは12年。でも最初の2年は会社員をやりながらだったので、まだ業界に身を置く、とは言えなかった気がしています。

この10年、編み物業界の先輩たちに沢山出会い、多くのことを学びました。とりわけ、海外の有名店のオーナーさんたちや有名デザイナーさん。海外の他の出版社の方々。色々な現場でその仕事ぶりを見て、それを自分たちの仕事に取り入れてきたと実感しています。

私たちが非常に影響を受けた人の1人は、間違いなくLoop Londonのオーナー、Susanです。amirisuの印刷版を出すと決めた時、まず一番に、驚くほど即座に連絡をくれたのがSusan。それから何年にもわたって、本の購入や広告の出稿を通してamirisuを支援してくださいました。彼女から学んだ一番のことは、「とにかく早く動く」「他人の真似をしない」ということです。amirisuなんて、まだ海のものとも山のものともしれない時に、他のお店が扱っているから、ではなく、自分の感性でまずは連絡をする。そんなSusanをとても尊敬しています。

Susanを見習って、まだどこにも卸をしていない、それほどメジャーではない毛糸のダイヤーさんに連絡をしてみたのが、ViolaとLa Bien Aiméeです。どちらも「まだ卸はやっていないけど、やると決めたら連絡するね」とお返事をもらいました。それから1年くらいして、「何店舗かだけだけど、卸をすることにしたの。」と連絡をくれたのがViolaのEmily。1人でやっているので沢山は染められないこと、そして色はお任せのことに同意し、それから数年間に渡って購入させてもらいました。amirisuでもとにかく一番人気の手染め糸だったと断言できます。残念ながら、動物の毛を染めるのをやめると決めたということで、毛糸ビジネスを畳んでしまったので、仕入れも終わりになりました。

彼女の作りだす繊細な色の世界にとても夢中になったし、大変影響も受けています。今手元にあるこの子たちは、永遠の宝物。糸としてとっておくのではなくて、何か編んで身につけたいなと思っています。