Madara by Inese Sang
今日は、いつもキュートなショールをデザインしているIneseさんにお話を伺っています。
今回amirisuのためにデザインしてくれたMadaraも、ボッブルとスカラップが生み出す可愛らしい模様や色使いに一目惚れでしたね。大きいけれど、飽きることなくサクサク編めそうです。
amirisu: デザインの過程で、どんな苦労や工夫がありましたか?
Inese: 挑戦は、学び、解決策を見つけるために不可欠なプロセスです。
Madaraのデザイン過程でもっとも大変だったのは、メインカラーで作るスカラップの間に配色糸を長く渡らせることでした。スカラップは裏編みで編むので、渡り糸を表から見えないように編みくるむのが難しいのです。そこで、渡り糸を安全に、かつ見えないように編みくるむために、スカロップの縁を表編みにしてみました。こうすることで結局、スカロップに絶妙な起伏のある質感が加わり、素敵な仕上がりになりました。とても気に入っています。
amirisu: もう一枚編むとしたら何色で編みますか?
Inese: サンプルと同じような、コントラストがあまりない組み合わせが好きです。もし他の色で編むとしたら、MCはやはりライトグレーで、CCには淡くくすんだデニムブルーを使ってみたいですね。濃いめのグレーに赤茶色を合わせてみても素敵だと思います。
amirisu: 編み物を始めたきっかけは何でしたか?
Inese: 祖母が編んだミトンや母が編んだ服に憧れて、子どもながらに自分の手で作ったものを身につけるということに魅力を感じていました。最初の編み物の先生は母でした。さらに学校でも編み物の授業があり、ラトビアの伝統的なミトンや靴下の編み方の基本を学びました。
その後はしばらく編み物から遠ざかっていたのですが、息子が産まれた時に再開しました!編み物の記憶は常に心の奥底にあったのだと思います。ものづくりへの情熱が蘇り、気がつけば編み物は日常になっていました。
amirisu: あなたの住む町や生まれ育った町の好きな場所はどこですか?簡単に紹介してください。
Inese: 私は、水に囲まれたラトビアの小さな町で育ちました。川まで歩いて行ける距離で、かつ森の湖や海までも車で数分のところに住んでいました。だから、水辺にいるのが本当に大好きなんです。
一番好きな場所は、バルト海の静かで広大な白い砂浜です。波の音を聞きながら海岸沿いを歩き、海や空の色が季節ごとにどう移り変わるのかを観察し、リラックスして何時間も過ごすことができる場所です。
amirsiu: あなたの国や地域に伝わる手工芸や技術について、好きなものを一つ選んで教えてください。
Inese: テーブルクロスやタオル、ベッドカバーに使われるラトビアの伝統的なリネン織りが大好きです。コントラストの低い2色の無染色のリネンを縦糸と横糸に使います。そのため、模様は直射日光の下ではほとんど目立ちませんが、斜めの光や間接光の下では姿を現すんですよ。
ラトビアの伝統的なシンボルや遺産を反映した、複雑な織りのパターンを研究するのが好きなんです。リネンで織られたテーブルランナーを家にいつも置いています。それは私のルーツを思い起こさせ、細部の美しさに気がつくきっかけになってくれています。
Ineseさん、ありがとうございました。