Sivu by Fiona Alice
2023年出版の雑誌amirisu 26号に掲載。
26号に参加してくれたデザイナーへのインタビューも、今回で最後になりました。最終回はFiona Aliceさん。彼女はカナダ出身ですが現在はフィンランドに住んでおり、Sivu sweaterは彼女が思うフィンランドらしさがたっぷり詰まったクールな一枚です。
amirisu: デザインのインスピレーションはどこから得ましたか?
Fiona: フィンランドの自然の美しさと、マリメッコといったテキスタイルブランドからインスピレーションを得ました。森林の荒々しい質感と、それと対照的な幾何学模様をミックスしたかったのです。マリメッコの精密な数学的なプリント模様は、フィンランドの価値観の象徴である平等をよく表しています。私が特に気に入っているプリントのひとつが、マイヤ・イソラのTiiliskiviで、直訳すると「レンガ」という意味です。肩周りのロゼットステッチは、寒い冬の日の霜を思い起こさせます。フィンランドに引っ越してきて、真っ白のページや新しい章の始まりのように感じることがしばしばあったので、この作品に「ページ」を意味するSivuという名前をつけました。
amirisu: デザインの過程で、どんな苦労や工夫がありましたか?
Fiona: ありがたいことに、それほど難しいところはありませんでした。ひとつだけ特別な配慮が必要だったのは、縦のストライプと横のストライプの配置でした。全てのサイズでこれらのラインを均等に配置することを目指しました。
amirisu: もう一枚編むとしたら何色で編みますか?
Fiona: De Rerum Naturaのブルーとビュートラルカラーの組み合わせを試してみたいです。ロゼットステッチとストライプはBaleine Bleue、それ以外の部分はPoivre et Selが良さそうです。
amirisu: フィンランドのおすすめスポットを教えてください。
Fiona: 生地を探すのにおすすめの場所は、ヘルシンキの中心部からそれほど遠くないHerttoniemiにあるマリメッコ・アウトレットです。デッドストックの布地を時々見て回るのが好きなんです。Hakaniemiマーケットホールにある「Punainenlanka」(直訳すると「赤い毛糸」)で材料を調達するのにいい場所です。そこは40年以上の歴史があり、「赤い毛糸」という店の名前にもかかわらず毛糸はあまり売っていませんが、洋裁用品の宝物がたくさんあります。ボタンやリボン、糸、バイアステープなど、あらゆる種類のものが見つかります。Hakaniemiマーケットホールには、チーズやオリーブ、魚、ペストリーなどの私のお気に入りのお店も出ています。ここでフィンランド料理を試してみたり、ランチに滞在したりする価値がありますよ!
amirisu: 夏はどんな過ごし方をするのが好きですか?夏には何を編んだり作ったりしますか?
Fiona: 夏は通常、カナダのノバスコシア州ハリファックスにいる家族のところを訪ねます。しかし、今年の夏はここヘルシンキで過ごすことになりそうです!美しい夏はとても短いので、楽しみ尽くしたいです。群島に行ったり、レストランのパティオで夜を過ごしたり、東フィンランドのコテージで家族と過ごしたりする予定です。
私は暖かい季節に夏用のニットを編むことはほぼありません。次の秋のシーズンに向けて、肌触りのいいセーターを編んで過ごすことが多いです。最近は自分のために何かを仕上げるのにとても時間がかかってしまいますが、この夏は少し縫い物もするつもり。すでにスカートを一着仕上げたし、サマードレスを作る計画もあります。
Fionaさん、ありがとうございました。