November 11, 2022

Kamon by Ksenia Naidyon

Kamon by Ksenia Naidyon

amirisu25号が発売されました!今回は京都市京セラ美術館で撮影したのですが、美術品として飾ってあってもおかしくないような美しい作品が揃いました。
雑誌を眺めるのも、編むのも、身につけるのも楽しんでいただけると幸いです。

今日からこちらのブログでは、25号に参加してくれたデザイナーへのインタビューを紹介していきたいと思います。
初回は、スモッキングとリブの模様がかわいいスカーフ、KamonをデザインしてくれたKsenia Naidyonさんにお話を伺っています。

amirisu:  このデザインのインスピレーションはどこから得ましたか?
Ksenia: 現代彫刻の魅惑的な形と模様は、石や石膏、金属だけで作られるのではありません。なんて事のない普通の紙も、幾何学的な形の集まりからなる複雑な構造物や、優美にカーブした波に変身することができるのです。こういった作品の折り目は、手編みのニットの一目一目と同じように、それぞれ違っていてユニークだと感じます。

寒い時期に何を編みたいか、何を身につけたいか考えた時、外に出かける時も家でくるまる時にもぴったりな、心地よいユニセックスの巻き物がよいだろうと思いました。このデザインの模様は、モダンな紙の彫刻に見られる不思議な光と影から着想を得ました。スカーフの本体部分は、影が紙の折り目を照らすような、リズミカルなリブ模様にしました。


amirisu:  デザインの過程で、どんな苦労や工夫がありましたか?
Ksenia: 時間をかけて考えた点が2つあります。一つ目は、本体にどんな種類のリブを使うか。リズミカルで覚えやすく、1目ゴム編みや2目ゴム編みよりも面白いものにしたいと思ったのです。

そこで、リブにすべり目模様を足すことにしました。結果は大成功で、作品に美しい表情が出たのでとても嬉しいです。二つ目は、スモッキングのテクニックをどのように説明するか。最初の2~3列を完成させれば直感的に理解できるのですが、最初は集中力と細部への注意が必要です。


amirisu:  もう一枚編むとしたら何色で編みますか?
Ksenia: 真っ白か、ほのかなクリーム色で編みたいです。デザインのインスピレーションである元々の紙の彫刻に近いからです。

amirisu:  編み物を始めたきっかけは何でしたか?
Ksenia: 5歳の時に母親から編み物を教わりました。それから15年ほどは、毛糸と編み針と別れたりよりを戻したりするような関係を続けてきました。しかしその後、編み物は変わりゆく人生の中でも不変のもの、つまり安らぎと同時に挑戦でもある、クリエイティブで完璧な趣味となりました。

私は数学の学位を取得し、その分野で長年働いてきました。2015年にサンフランシスコに移って以降は人生がまるっきり変化し、生涯をかけた情熱を編み物に捧げるのにまたとない理想的なタイミングだと思ったのです。それ以降、振り返ることなく突き進んできました。


amirisu:  好きな美術館や芸術作品はありますか?簡単に紹介してください。
Ksenia: サンフランシスコのLegion of Honor美術館が好きです。大きくはありませんが、オーギュスト・ロダンの彫刻やヨーロッパのアートの素敵なコレクションがあります。クロード・モネのヴェネツィアの大運河の絵画もあり、私のお気に入りです。美術館の建物それ自体も美しいですよ。
Kseniaさん、ありがとうございました。