いつも捻りの効いたデザインを考えてくれるAlice Caetanoさん。今回のデザインMonbijouは、ポコポコと波打つ印象的な模様をネックラインと裾に入れてくれました。お気に入りの芸術作品も面白いので、ぜひリンクから写真も見てみてくださいね。
amirisu: このデザインのインスピレーションはどこから得ましたか?
Alice: 彫刻的な形と立体的なフォルムをどのようにニットウェアに落とし込めるか考えました。そこで、Welts(今回、襟元や裾に使った手法)を用いたデザインをスケッチし、ネックレスやブレスレットと同じように身につけられるアイテムを考えました。
amirisu: デザインの過程で、どんな苦労や工夫がありましたか?
Alice: 最も難しかったのは、ネックラインをしっかりさせること。普通のネックリブと同じようにセーターの身頃を編んでから目を拾うのですが、今回は襟ぐりがとても深くて構造的なため、ぼこぼこせずフラットな胸元にするには工夫が必要でした。
amirisu: もう一枚編むとしたら何色で編みますか?
Alice: amirisuにデザインしたニットを自分のために編む場合は、黒で編むことが多いです。なんといっても、一番よく着る色だから。
でも今回のナチュラルな白色が気に入ったので、これは白で編みたいです。
amirisu: 編み物を始めたきっかけは何でしたか?
Alice: 10代の頃に表編みと裏編みを母から教わり、そこからはインターネットで独学で勉強しました。減目や増目、輪編み、インターシャなどたくさんのテクニックを学んだのですが、着られるものが完成することはなく、結局しばらく針を持つのをやめてしまったんです。
その後、20代で再び針を手に取り、すぐにセーターを編み始めました(ノラ・ゴーギャンのBeatnik sweaterでした)。そして、それが編み終わる前に自分でカーディガンのデザインを始めたんです。
amirisu: 好きな美術館や芸術作品はありますか?簡単に紹介してください。
Alice: 難しい質問ですね!
この一年で一番のお気に入りは何かな…?ロッテルダムにあるクンストハル美術館かしら。今年の初めに彫刻家のアレクサンダー・カルダーの展覧会があったのですが、とても美しくてダイナミックでした!他のアーティストの作品も展示されていたのですが、エルネスト・ネトの「It Happens When the Body is Anatomy of Time」という作品がとても印象に残っています(https://www.instagram.com/p/CWduJIWIt-r/)。部屋の高さと同じくらいのライクラチューブ(伸縮する円形の布)でできていて、サフランやクミンなどの黄色いスパイスが詰められているんです。スパイスが白色のチューブを染め、チューブの底に溜まって床にこぼれ出し、その空間は素晴らしい香りで満ちていました。その中を歩き回るのが楽しかったです。
Aliceさん、ありがとうございました!