Bookish. - Issue 5
編み物スキルアップに役立つ洋書2冊を紹介。自分の体型によりフィットしたニットを編みましょう。
Text by Meri
Knit to Flatter
題名を日本語に置き換えると、『自分を美しく見せるニット): 自分を素敵に見せるセーターを編むために受けておきたい、たった1つの講座』
著者:エイミー・ヘルツォーグ
建築業界で働いたことのある私にとって、ヘルツォーグは尊敬してやまない人物の名字(超有名建築家)。今回紹介するエイミー・ヘルツォーグさんは編み物界で尊敬する人の1人です。彼女は手編みのセーターを自分の身体に合わせる(逆ではなく!)とても分かりやすい手法を開発したデザイナー。Craftsyというオンライン講座をはじめ、様々な場所で教鞭を取る彼女ですが、自宅でもっとじっくり、理解をしながら学びたい、という人には本書がおすすめ。パターンが21個も入っているので、学んだことをすぐに実践にうつせます。
多くの女性が同じ悩みを抱えていると思いますが、私も洋服のサイズ選びに苦労する1人です。既製服でも、手編みでも。背は低いけれど痩せ型ではないので、Sサイズでも合う場所と合わない場所があって、調整しないと着れません。エイミーの手法を学ぶことによって、標準サイズとは何なのか、どこを基準に標準と言われているのか、自分のサイズがそれとはどう異なるのかが理解できました。これによって、自分の体型をより良く見せるのに適したニットのデザインも分かります。自分にフィットするセーターを編むだけではなく、一般的な洋服選びにも役立つ知識、いただきました。見方が変わりました。
Knitting Pattern Essentials
題名を日本語に置き換えると、『編み物パターンの基礎:素敵なニットウェアを編むためのパターン修正・作成方法』
著者:サリー・メルヴィル
これも手編みニットをカスタマイズする方法を解説した本。ただし、こちらはゼロからパターンを起こしたい人向きです。最初に、自分のサイズを測るのではなく、気に入っているニットウェアのサイズを測るところからスタート。サイズを測ったら、ネックラインや裾、肩、袖などの各パーツを変えるにはどうしたらいいか、袖ぐりはどのように計算したら良いか(数学の時間!)を教えてくれます。結局のところニットのデザインとは数学(算数)なので、しょうがないですね。
どんなデザインが良いのか、自分に合っているのか、といったテーマについては殆ど触れられていません。むしろ、自分の好みのデザインが見つかった後、どうやって編んだら良いのかを懇切丁寧に教えてくれる本。こんな本が日本でいつか出版されるといいな。
この本で特に面白いと思った部分は、編み始めたあとで「お、やっぱり身体に合わないぞ」と思ったときの対処方法が書いてあること。解かないで処理する方法です。掲載されているパターン自体はそれほど好みではないのですが、新人デザイナーの参考書として大変良書だと思います。
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デザインについての本、こんなに読んでいる(次号でもう1冊紹介します)ので、いつの日か自分でもデザインできるといいなと思います。
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