Bookish. - Issue 11
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Text by Meri
初出: 2016年amirisu 11号
The Book of HAPS
著者: ケイト・デイヴィス
ソフトカバー、122ページ、3,800円
RavelryでPDFが購入可能
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7月にリリースされたKate Daviesさんの新刊は、イギリス北部に伝えられる伝統的なショール「ハップ」を掘り下げた本。(よく「ハップショール」というのを目にしますが、これは「ショールショール」と言っているのと同じなのだとか。)スコットランドでは今でも身体を温かく包み込む、という動詞としても使われる「ハップ」。その歴史的意味合いや変遷を紐解きながら、では現代のハップとはどんなものだろう?というところまでアプローチした、意欲的な1冊となっています。本の4割くらいは読みもので、6割は世界中の人気デザイナーがこの本のためにデザインしたハップが紹介されています。
シェットランドのレースショールというと、日本では一般的に真っ白で繊細なドレッシーなものをイメージするかもしれませんが、それは後で生まれてきた進化系であって、もともとは地元で採れた羊の毛を手紡ぎし、ガーター編みの厚みのある編み地によって防寒性を高めた、女性の仕事着だったということ。頭と身体をすっぽりと覆い、保温性抜群。働く女性の必需品だったハップ、という部分に深く惹かれ、この冬はそんな1枚を私も編んでみたいなと思いました。
紹介されているショールのなかでは、Tom van DeijnenのHexa Hapの面白い六角形の構造に惹かれ、またJen Arnall-CullifordのNut-Hapの色使いがとても気に入りました。使いやすそうなのはGudrun JohnstonのLang Ayre。好きな色でも遊べそうだし、身体にグルグル巻きしたら温かそう(糸も手に入りやすい)。
ショール、いえ、ハップ好きにはたまらない一冊だと思います。ぜひお手に取ってみてくださいね。