Baltika by Inese Sang
2023年出版の雑誌amirisu 26号に掲載。
今回のインタビューははBaltikaをデザインしてくれたIneseさん。Baltikaを初めて見た時、色の組み合わせも繊細なレース模様も、その軽さとサイズ感も、全てがパーフェクトで思わず「うう〜!!」と唸ってしまいました。それでは、お話を聞いてみましょう!
amirisu: デザインのインスピレーションについて教えてください。
Inese: 広大なバルト海からインスピレーションを受けました。太陽の光が水面にまぶしく反射する夏の穏やかな海から、大きな力強い波まで、バルト海はいろいろな表情を見せてくれるんです。ラトビアの民話では、白く砕ける波は、太陽の乙女に導かれた海の馬として表現されます。それを白色のレースで表してみました。水の動きと、刻々と変化する波の輪郭の繊細さを伝えるのに、レースは最も美しいテクスチャーだと思います。
海は、長年にわたって私のインスピレーション源です。その色、水、音は、クリエイティブな新しいアイデアをもたらしてくれます。
もうひとつの挑戦は、単なるアイレット模様ではなく、海の動きを伝えられるテクスチャーの本体レースパターンを考え出すことでした。
amirisu: デザインの過程で、どんな苦労や工夫がありましたか?
Inese: 一番難しかったのは、バルト海の水の雰囲気を最もよく表現してくれる毛糸と色を見つけることでした。ラトビアの海岸沿いで、バルト海は、深い青だったり、曇りの日には灰色を帯びた霧みたいな青になったり、海岸に打ち寄せると控えめな白い水泡になったりするんです。Isager HighlandのSkyとSandの複雑な色味は、このデザインにとてもよくマッチしていると思いました。
amirisu: もう一枚編むとしたら何色で編みますか?
Inese: MCはミディアムブラウンの砂のような色、縁取りのレース部分はオフホワイトにして、うみべの砂丘や白い波を連想させるような色使いがいいと思います。
amirisu: 夏はどんな過ごし方をするのが好きですか?夏には何を編んだり作ったりしますか?
Inese: 暖かい気候が好きで、夏はできる限り外に出るんです。森の中をハイキングしたり、家族とサイクリングしたり、湖や海のほとりでただ水を眺めて過ごしたり。波の音が大好きなので、何時間でも海辺を歩けてしまいます。
細い毛糸で編むのが好きですし、レース糸を夏に編むのは素晴らしいです。しかし、外で過ごす時間が多いので、夏は他の季節ほどは編み物はしません。社交的なニッターではないので編み物を持ち歩いたりもしないんです。
Ineseさん、ありがとうございました!