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Knitting for Beginners! 2 〜毛糸の加工やロットについて〜
1月 29, 2022
こんばんは。
初心者スタッフの疑問をトクコ先生にどんどん質問していく企画、Kniting for Beginners!、2回目のお届けです。
今回は、毛糸の加工やロットについて。
毛玉になりにくい糸、洗濯機で洗える糸はどんなもの??せっかくだから、用途に合わせて適切な糸を選べるようになりたいものです。
Youtubeはこちら!
https://youtu.be/Bg98zUxSa0c
ビギナーの皆さまからの質問も受け付けています。モヤモヤを解消したい方、ぜひお便りをくださいね。
https://amirisu.typeform.com/to/IYyCTYFV
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質問1:スーパーウォッシュとノンスーパーウォッシュの違いとは?
スーパーウォッシュ=防縮加工処理をしているもの
ノンスーパーウォッシュ=防縮加工をしていないもの
です。
防縮とは、文字通り縮むのを防ぐ加工のこと。
例えばamirisuのTrekは、防縮加工したウールが70%含まれており、スーパーウォッシュの糸ということになります。
ニットの洗濯をしていて、急に毛が硬くなったことはありませんか?
それが「フェルト化」という現象です。毛はもともと毛羽立っているのですが、洗濯をすると繊維同士がくっついて結びつきが強くなり、縮んだり硬くなったりするという性質があるんです。
防縮加工はそれを防ぎ、洗濯機で洗っても縮みにくくなります。だから、よく洗う靴下はスーパーウォッシュがありがたい。靴下をいちいち手洗いするのは嫌ですよね。
子供のものもスーパーウォッシュで編むのがおすすめです。
何度も何度も洗っていると、スーパーウォッシュでもいつかはフェルト化してしまうと思いますが、例えば2回でフェルト化してしまうのか、50回持つのか、回数に差があると思います。
質問2:スーパーウォッシュでもネットに入れて大事に洗った方がいい?
それはそうです。摩擦が少なければ少ないほど、フェルト化への道は遠ざかります。
例えば、私はいつも靴下はネットに入れて洗濯機の冷水モードで洗い、陰干ししています。4~5年履いているものでも、まだ使えています。
質問3:暖かさの違いはありますか?
はい。スーパーウォッシュは毛羽立ちがないから暖かさには欠けます。毛羽立ちを抑えているということは、毛が当たる表面積が少なくなり、寒いということ。La Bien Aimeeのスーパーウォッシュメリノで編んだショールを持っていますが、そこまで暖かくないので、冬ではなく春秋用に使っています。
質問4:手触りに違いはありますか?
手触りと防縮加工は違う問題です。防縮加工をしている方が肌触りがいい、悪いとは一概には言えない。羊の種類にもよるので、触ってみて好きなものを選んでいただくしかありません。
質問5:毛玉が出来やすいのはどんな糸ですか?
毛玉の出来やすさは、一つは撚りの強さによります。撚りが強ければ強いほど、毛玉ができにくくなることが多いです。1plyのふわふわのものは、編みやすいですが毛玉になりやすい傾向があります。
また、同じ糸でも編み方によって毛玉の出来やすさが変わることもあり、きつく編んだ方ができにくいです。
ただ、毛足の長さや、糸の素材にも左右されるため一概に言うことは難しいです。
編めば編むほど糸の特徴を覚えるので、たくさん編んで、どういう目的で何を編むかによって糸を選べるようになるといいですね。
質問6:タグに書いてある「ロット」とはなんですか?
毛糸を染色するときの鍋、釜についている番号です。製造番号のようなもの。
ロットの番号が同じものは、同時に同じ釜で染めたということ。手染め糸ではない普通の糸でも、釜が違うと色味が少し変わってしまったりするのです。ちょっとした条件の違いに影響されるんですね。
タグには、このように載っています。
そして、カセごとに色が微妙に違うと何が困るのか。
編んでいるときは全く気にならなくても、出来上がった作品を遠目で見たり写真に撮ったりすると、びっくりするくらい色の違いが出てしまう時があるんです。セーターがしましまになってしまうので、ロットを揃えて買うのが無難です。
作品を編むのに必要な毛糸は、まとめて着分すべてを買うようにしましょう。
質問7:買い逃したら、もう同じロットの糸に出会うのは難しい?
難しいと思います。もしロット違いしか手に入らなかった場合は、ロットの違うかせを、袖や後身頃など目立たない部分に持ってくるのがいいと思います。
上級者の方は、色の違いをあえて生かす手もあります。
質問8:手染め糸にロットはありますか?
ロットはあるものの、ロット管理をしていないのではないでしょうか。同じ釜で4~5かせしか染められないので、つけていないメーカーが多いのだと思います。
スペックルについては、ひとかせごとに全然違うのでロットはありません。
質問9:ベースとはなんでしょうか?
ベースは、生地糸のこと。染めていない元々の毛糸は、羊毛そのものの色をしています。白やベージュ、グレーのような色です。お店に並ぶカラフルな糸は、その生地糸に染色を施したもの。
大きなメーカーや、こだわって毛糸を作っているメーカーは、自分たちで紡績工場と話をして一から生地糸を作っているところもあると思います。しかし、小さなメーカーや個人で手染め糸を売っている人たちは、生地糸を作っている会社から糸を買い、それを染めていることが多いかと思います。
だから、あのメーカーの◇◇という糸と、このメーカーの◆◆は同じ生地糸を使っているな、、というのが私は毛糸を見ると分かります。普通の方は分からないかもしれませんが。
ちなみにamirisuは生地糸から作っています。他には出回っていないオリジナルのベースです。
編み物は、とってもマニアックではあるけれど、自分で素材を選ぶところから始められる楽しい手芸。最初は難しいですが、どんな作品を作りたいか想像しながら、楽しく毛糸を選んでいただけるとうれしいです。失敗を恐れず、経験を積みましょう。
初心者向けブログ始めます。
1月 21, 2022
今年こそ編み物を始めたいと思っている皆さん、こんにちは。
編み物歴1年半の初心者スタッフ、ハスダです。
「なんだか編み物って楽しそう。おしゃれなニットを自分で編めたらうれしいな」
そう思っても、何から初めてよいのか分からない方、多いのではないでしょうか?
特にamirisuは、海外からの輸入毛糸や、日本ではまだポピュラーではない文章パターンを扱っているため、入り口のハードルがさらに上がってしまっているように感じます。
そこで、この新シリーズでは、私が編み物を始めたときに感じたありとあらゆる疑問をトクコ先生にぶつけて、スッキリ解消しようというもの。ブログとYoutubeでお届けしていく予定です。
Youtubeはこちら!
https://youtu.be/Iykq0WEGBCE
経験者の方にとっては簡単すぎると思いますので、飛ばしてくださって構いません。(意外と知られていない、豆知識が潜んでいるかもしれませんが…!)
ビギナーの皆さまからの質問も受け付けています。モヤモヤを解消したい方、ぜひお便りをくださいね。
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初回は、毛糸の太さについて。
私が編み物を始めたとき、まず参考にしたのは日本の編み物本でした。なので、最初に覚えた毛糸の太さは中細・並太などの日本語表記。ところがWalnutのお店を訪れると、そんな表記は一切なし。どれを選んで良いのやら分からず、スマホを取り出し、棚の前でいちいちネット検索して調べたりしていました。
ところが調べてみると、糸の太さはわりと曖昧なもののようです。
トクコさんに聞いてみましょう。
質問1:糸の太さには規格があるの?
直径何ミリであればこう呼ぼうという規格があるわけではありません。
では何で決まるのかというと、一般的にはメリヤス編みを編むときのゲージ。「何目何段のゲージであれば、この太さにしよう」と決まっているのです。
ゲージとは、あるサイズの正方形の編み地が何目(横)何段(縦)で構成されるかを表したものです。
例えば「10cm四方に30目40段」であれば、「30 stitches & 40 rows = 10cm」のように書かれます。
このように糸のタグに表記されていることも。段については、書かれていないこともあります。またセンチ表記とインチ表記の両方があるので、間違えないよう気をつけてくださいね。(1inch=約2.5cm)
また、少し専門的ですがWPIという棒のようなツールを使って図る方法もあり、1cmの幅に糸を何周巻き付けられるかをカウントします。ただ、個人的にはWPIで糸の太さを考えたことはありません。
質問2:日本語表記と英語表記の対応は分かりますか
日本の編み物から遠ざかってしまっているので、把握していません(笑)
しかし、インターネットで調べると対応表はたくさん出てきます。
ざっくりですが、以下のような対応です。
質問3:国によっても表記が違うみたい。amirisuで採用している英語表記はどこのもの?
Ravelryに載っているものを使っています。
Ravelryは世界中の編み物好きが集うSNS。デザイナーのパターンを購入したり、編んだ作品をシェアしたり、編みたいパターンを保管しておいたりできます。
そして、Ravelryは糸のデータベースでもあります。糸には必ず太さが書いてあるので確認してみてください。
こちらはamirisunのオリジナル毛糸、Wanderlust Linenのページ。
青い丸で囲われた?を押すと、糸の分類表が出てきます。
大体はメーカーの人たちが自ら太さを入れているのだと思います。
ただ、その糸を編んでみた人たちから「DKって書いてあるけど絶対にSportだと思う」という意見が多く集まると、たまに変わったりもします。
さらに、針によってさまざまなゲージが出せる糸も存在します。amirisuのHikeもそうで、どういう表記にするか悩ましいところ。DKからAranまでゲージが出るんです。
つまり、糸の太さの表記にそこまでこだわることはありません。
編むときの手の加減は人によっても違うので、同じ糸でも人によってゲージは変わります。素材によっても変わります。何かを編みたければ、まずはゲージをとってみましょう。
質問4:糸を買わないと、ゲージを試しに取ってみることもできない。初めて糸を買うときは失敗したくないと思うのですが、どうしたら良いでしょうか。
そこらへんの塩梅が分からない初心者の人は、
1、お店のスタッフのすすめる糸を買う
2、キットになっている糸を買う
3、そのパターンの指定糸を買う
このどれかを選ぶのが一番簡単な方法で、大失敗はしないのではと思います。指定糸でも指定のゲージが出せないこともありますが、針をたくさん用意しておいて、針の号数を上げ下げすることで、なるべく指定のゲージに近づけましょう。
ただ、編み物を始めたばかりで今後もずっと続けるか分からない時に、針のセットを買うのは抵抗があるかもしれません。(お値段もしますし…)
そういうときは、サイズが多少くるっても問題なく使えるマフラーやショールから初めてみてください。セーターや靴下だと、入らなかったり大きすぎたりすると悲しいですもんね。
編み物って経験値なんです。経験値が上がるほど、使える糸の選択肢が自分の中で増えていく。そこが編み物の難しいところであり、面白いところではないでしょうか。
最初は失敗を恐れず、真剣に考えすぎず、まずやってみることです。
質問5:1ply、2plyとかはどういうこと?
Plyは撚りの本数を表します。1plyなら1本、つまり撚っていないということ。2plyなら2本を撚り合わせています。しかし、糸の撚りが多いからといって、その糸が太いこととイコールではありません。4plyでも細いものもあります。
質問6:たくさん撚っている方が丈夫ですか?
それはそうです。
しかし、撚りの回転数(きつさ、ゆるさ)にもよるので断言はしづらいです…
質問7:Light FingeringのLightとは?
Fingeringよりちょっと細いということ。レースほどは細くないけどFingeringよりは細いもの。反対にHeavyだとちょっと太いことを表します。
質問8:同じFingeringでもソックヤーンと書いてあるものと、書いてないものがあります。靴下を編みたいときは、ソックヤーンを選ぶべきでしょうか?
ソックヤーンと名付けているのはメーカーサイド。メーカーが、「この糸は靴下におすすめですよ!」とお薦めしているだけです。
だから、おすすめにしたがってソックヤーンで靴下を編んでもよし、ソックヤーンと書いてある糸でセーターを編んでもよし、書いていない糸で靴下を編んでもいいのです。
一般的に靴下にいいのは、ある程度撚りがしっかりしていて丈夫なもの。amirisuのTrekはとてもオススメです。
質問9:モヘアにも太さはありますか?
モヘアとはいわゆる獣毛のこと。羊ではなく、アンゴラ山羊という動物からとった毛のこと。それをどう加工するかで糸の太さは変わるので、モヘアにも当然太さのバリエーションがあります。羊だから太い、山羊だから細いというのはありません。
例えば、DARUMAのウールモヘアとシルクモヘアでは、全然太さが違います。
質問10:ソリッド、スペックルとは?
ソリッドはかせ全体がムラなく一つの色で染められているもの、単色に見えるようなもの。
スペックルは英語で言うとspeckledですが、つぶつぶの模様が入っているもの。
段染めは、グラデーションになっているもの。
ちなみに、こんなふうにカセの半分で色が分かれている毛糸を編んだとき、どんな編み地になるのかは、編むものの幅やサイズによって全然違ってくるので、やってみないと分かりません。
セーターを編むのと、靴下を編むのとでは1周の長さが全然違うわけです。必ず試し編みをした上で、色の出方の面白さを楽しんで編むのがいいでしょう。
失敗して解くのは面倒だし心が折れますが、最初はめげずに、何回でも解く気持ちでやってみましょう。ソーイングと違ってやり直しができるので、ある意味気楽に始められますよ。
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長くなったので、今回はここまで。
次回は、毛糸の加工について。
スーパーウォッシュとは?毛玉になりにくい糸は?ロットとは?などなど、聞いていきます!
皆さんからの質問も受け付けています!
https://amirisu.typeform.com/to/IYyCTYFV
まだまだ編みたい、カーディガン!
1月 20, 2022
カーディガンを編みたいと思う気持ちを抑えきれず、まだまだパターン探しを続けています。セーターは単色で編むことが多いのですが、なぜかカーディガンはパッと目を引く色使いが気になります。
そこで今回はボーダー柄をピックアップしてみました。
Aimée Cardigan by Joji Locatelli
いつもスタイリッシュで、素晴らしい色選びをするLa bien Aiméeのオーナー、Aiméeにちなんでデザインしたというこのカーディガン。この色合わせが本当に絶妙!それに、ボタンバンドまで色が続いているのも素敵ですよね。
もちろんこの色合いで編むのも良いのですが、自分の好きな5色を選ぶのも楽しそう。オリジナルはSport weightで編んでいますが、Fingering weightでも大丈夫かな?と思って糸を探しています。
Douglas Cardi by Andrea Mowry
こちらはご自分のお父さんの名前をつけたというカーディガン。大きなポケットがついてリラックスフィットで、おじいちゃんが着ているようなスタイルのものをデザインしたそうです。確かにおじいちゃんが着てそうな形なのですが、やはり色合いが素敵でうっとりしてしまいます。
Ravelryのページを見ると、どちらのデザインもたくさんのニッターが思い思いの色で編んでいるので、是非覗いてみて下さいね。
カーディガンが編みたい!
1月 14, 2022
この冬はカーディガンをよく着ています。Tシャツの上にさらっと羽織ったり、少し肌寒い時にはセーターの上にも重ねたり。そこで、どんな洋服にも合うようなシンプルな形のカーディガンを編みたいと思い、探してみました。
目に留まったのは、はっきりしたケーブル模様と全面に配されたテクスチャーが魅力的なBee`s Knees。デザイナーのThea Colmanはケーブル模様を効果的に使ったデザインを多く発表していて、このカーディガンも裾のリブからケーブルに繋がるところや、背中の切り替えなどがとても美しい1枚です。襟の仕上げも写真のようなショールカラーだけでなく、何種類かのパターンから選べるようです。
メリヤス編みのように気軽には編めないかもしれませんが、1つ1つの模様を丁寧に編んでいくのも素敵ですよね。今、Worsted weightの糸は色々と揃っているので、どれか選んでこの冬のプロジェクトにしたいと考えています。
Hiromi Nagasawa フェアのご案内
1月 08, 2022
2022年最初のWALNUTフェアは、Hiromi Nagasawaフェアです。
サンプルをたくさん展示します。ぜひ遊びにいらしてくださいね。
開催日時
WALNUT東京店:
1/12(水)〜1/20(木) 11:00-18:00
※日・月曜日は定休日です。ご注意ください。
WALNUT京都店:
1/25(火)〜1/29(土) 11:00-17:00
※日・月・木は定休日です。ご注意ください。