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7月 22, 2022
Knitting for Beginners! 6 ~編み始めよう〜
7月 13, 2022
初心者スタッフの疑問をトクコ先生に質問していくシリーズ「Kniting for Beginners!」。
第6回は、編み始めた時に誰もがぶつかる悩みについて。
・作り目がねじれてしまう
・裏編みが緩くなる
などなど、皆さんからの質問も多かった内容です。
Youtubeはこちら!
https://youtu.be/Yx3q_4AmSqw
ビギナーの皆さまからの質問も受け付けています。モヤモヤを解消したい方、ぜひお便りをくださいね。
https://amirisu.typeform.com/to/IYyCTYFV
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質問1:針の持ち方について。アメリカ式とフランス式、初心者にはどちらがおすすめですか?
おすすめは特にありません。自分がやりやすい方を選びましょう。
アメリカ式は、糸を右手にかける編み方。(多くの人にとって利き手である)右手で糸をぐっと引けるのできつくなりがちです。しかし、糸を引っ張って棒に添わせているため、目が揃いやすいです。
フランス式は、このように左手に糸をかけて編むやり方。私はフランス式です。指にかけた糸のテンションを保ち、右手に持った針で糸を拾っていきます。アメリカ式より緩くなることが多いです。
どちらが早く編めるかは、編み手の慣れによります。アメリカ式ですごく早く編む人もいるし、フランス式で綺麗に目をそろえて編む人もたくさんいます。
両方やってみて、やりやすいと感じた編み方をとことん練習して極めたらいいと思います。
そして、アメリカ式でもフランス式でもない編み方も存在します。私は、そういう生徒さんが来ても直しません。どんな編み方でもきれいに編めるならOKです。
質問2:編み込み模様を編むときは、アメリカ式とフランス式を両方使って編みますか?
両手に糸をかけてアメリカ式とフランス式を両方使って編むのが、おそらく一番早いのだとは思います。
しかし私は編み込み模様もフランス式だけで編みます。例えば2色の編み込みであれば、左手の人差し指に、2本の糸を少し離してかけて、必要な方の糸を拾って編んでいきます。
2~3目ごとに色が変わる場合はこれで問題ありませんが、同じ色がしばらく続く場合は、2本の糸を同じテンションで指にかけておくのが難しくなります。その時は1本ずつかけます。色が変わったら、指にかける糸も変えます。
少し手間に感じるかもしれませんが、私は慣れないアメリカ式で編むよりも、この方が結局早くてきれいに編めるんです。
よく考えるとそんなに早く編む必要はないですよね。早さより、出来上がりの美しさが大事。自分が一番きれいに編める方法を選択してください。
質問3:フランス式で、指にかける糸のテンションを保つのが難しいです。
難しいですよね。
私は、糸を薬指と小指でぎゅっと挟むことでテンションを保っています。小指や薬指に糸を二重に巻いている人もいますね。人によってまちまちで、標準のやり方はありません。
ただ、テンションを保つことはとても大事です。
いつも初心者の人に言うのですが、右手の動きではなく、左手の糸のテンションと針の角度で編み方が決まるんです。
テンションが保たれていると、針から目を抜きやすいし、目の大きさも一定に保たれます。針を抜く時のテンションによって、針に沿う糸の形が決まるからです。目が揃っている人はテンションがいつも一定なんだと思います。
自分の小さな世界が完結していればそれでいいので、難しいですが、正解は自分で見つけるしかありません。そのためには、練習しまくりましょう。
編み物は、自転車と同じ。練習して自分なりの「編み物の乗り方」を覚えてください。
質問4:表目に比べて、裏目が緩くなってしまいます。
それはあなただけではありません!私も裏編みが緩んじゃう派です。
裏は構造上あまり糸を引っ張れないため、裏の方が緩くなってしまう人は多いのだと思います。
なので、それはそれとしてゲージを取ればいいと思います。表がきつくて裏が緩くても、ゲージが成り立っていれば良しとしてしまう。
(でもそうすると、編み地が縞々になっちゃいませんか?)
縞々が気になるくらい緩さが違うのであれば、意識してテンションをきつく保つしかありません。
私も気を抜くと緩くなるので、注意して引っ張って編むようにはします。これも練習です。
質問5:指にかける作り目で、糸端の長さが足りなくなることがあり、悲しいです。どうしたらいいでしょうか?
これはメリさんが発見したのですが、途中で糸がなくなったら、新しい糸で作り目を足しても大丈夫。作り目が繋がっていなくても、2段目、3段目と編み進めていけば境目はあまり気になりません。
足りなくなったら、糸を一度切って、もう一回新たに始めてみてください。
他にもいいやり方がありそうなので研究中です。発見したらまたお知らせしますね!
そして、どうしても糸が足りなくなるのが嫌なら、これなら絶対安心!ぐらい長く糸端を出しておけばいいですよ。
質問6:針を2本合わせて作り目しますか?1本でもいいんですか?
日本の編み物本では、針を2本合わせて作り目するようによく書かれていますよね。
でも、それ、もう流行ってないです!
指定より少し太い針1本でやってください。
なぜ2本でやるように書いてあるのかというと、作り目がきつくなるのが嫌だから。私の想定ですが、昔はたくさんの針を買ってもらうことが難しかったので「同じ針で緩い作り目を作るには2本合わせたらいいんじゃないか?」ということで、推奨されたのだと思います。
でも、2本でやると緩くなりすぎませんか??
最近は付け替え輪針も普及して皆さん針をたくさんお持ちです。なので、例えば6号で作り目するよう書いてあったら、2号くらい号数を上げて8号1本でやってみたらどうでしょうか。
それで、次の段を編む時に6号に変えると、いい感じの作り目ができます。
質問7:作り目を輪にする時、ねじれないようにするにはどうしたらいいですか?
上手いやり方なんてありません!クリップで止めたり、きちんと広げてみたり、注意深く観察してねじれないようにするしかないです。
ただ、いつもみんなが失敗しているなと私が思うのは、2段目。1段目の時は、ねじれてないかな??と、ものすごい真剣に見ていると思うんです。でも2段目の時はうっかりして見ていない。
編み始めは編み地の幅が薄いので分かりづらく、2段目を編む瞬間にねじってしまっている人がいる。だから、ちょっと編んだら、ねじれていないかもう一度観察!
観察を定期的にしたら大丈夫だと思います。私は生涯でねじったことは1~2回しかありません。
あとは、マジックループだと難しいと思います。4本棒針とかでやった方がマシそうです。
そして、何段か平編みした後に輪にする方法もあります。平編み部分だけちょっと綴じはぎすればよく、絶対にねじれないので気が楽です。300、400目もある作り目の時はこの方法が安心。
作り目がねじれて心が折れてしまい、編み物ができない!そんな人にはおすすめの方法です。
質問8:作り目をすると、糸の撚りが解けてしまいます。どうしたらいいですか。
解けるのは仕方がないことです。そういうものです。
2本どり、3本どりで毛糸が絡まるのもしょうがない。誰でもそうなるので、しょうがないと思ってやってみてください。
トクコ先生、ありがとうございました!次回は仕上げについてお話します。
Knitting for Beginners! 5 〜ゲージについて〜
6月 09, 2022
初心者スタッフの疑問をトクコ先生に質問していくシリーズ、Knitting for Beginners!
「ゲージの回を設けたい」とのトクコ先生の強い希望があり、第5回は、とにかくゲージが大切!ゲージを取りましょう!というお話です。
Youtubeはこちら!
ビギナーの皆さんからの質問も引き続きフォームより受け付けています。
質問1:なぜゲージについて詳しく話したいと思ったのですか?
ズバリ、ゲージを取らない人がたくさんいるから!ゲージの意味をきちんと理解してほしいからです。
ゲージを取るというのは、スワッチを編んで、10cm×10cmに何目何段が入っているかを確かめる作業です。
デザイナーはパターンを書く際、必ず自分が何目何段で編み地を編むのか、まずゲージを取ってみて、それを元に全体の大きさを計算しています。
ゲージを取らずに編み始めると、デザイナーが一生懸命計算して作った理想の形にならず、小さすぎたり大きすぎたりするという悲劇が発生してしまいます。悲しいですよね。
質問2:ゲージを取るのを面倒に感じてしまいます。5cm×5cmでゲージを取り、計算で2倍にしたらダメでしょうか?
気持ちはよく分かりますが、初めはきちんと10cmで取りましょう。
編み始めや編み地の端の部分は目が安定しないので、確実性を高めたい場合は15cm×15cm編んで、その真ん中を測るのが理想です。
慣れている方は5cm×5cmでもいいでしょう。
質問3:目数と段数どちらかだけ合わない時はどうしたらいいですか?
段数が重要なものとそうでないもの、パターンによりけりなので答えるのが難しいです。
横編みのデザインの場合は、しっかり段数を合わせる必要があります。
トップダウンやボトムアップのデザインの場合は、とりあえず目数を合わせておき、段数は編みながら調整してもいいでしょう。
しかし増目や減目がある場合は、そのタイミングに注意が必要です。闇雲に段数をいじると、トップダウンセーターのラグラン増目のタイミングが合わず変な形になってしまう、全体のバランスがおかしくなってしまう…そんな可能性があります。
対処法は計算し直すしかありません。なので、やはりなんとか目数も段数もゲージを合わせるのが一番いいです。
そこで初心者の方にオススメしたいのが、自分とゲージが合うデザイナーを見つけること。
「この人ならいつもゲージが合う!」という相性の良いデザイナーが必ずいるはずです。
一般的に、女性よりも男性の方が力があるので手がきつめです。また、フランス式よりアメリカ式の方がきつくなりがち。「こんなにきついゲージ、出るわけない!」と思ったら、おそらく編み方が自分と違うのでしょう。残念ながらそのデザイナーとは気が合わないということです。レベルアップしてから、その人のデザインに挑戦してください。
質問4:ゲージを合わせるため針の号数を上げ下げする時、1号ずつ変えてみますか?
1号どころではあまり変わらないので、思い切って2号くらい変えてみることをオススメします。
ただとても残念な話ですが、ゲージを取ったからといってゲージ通りに編める人はほぼいないんです。気が緩むと変わってしまうものなので。
それならゲージを取る意味ないじゃん!と言われますが、そんなことはありません。
自分の癖を知るためにゲージを取ってほしいのです。
私はゲージよりも実際の編み地が必ず緩くなります。小さい四角を編むと、手が緊張してキツくなるようです。
だから、ゲージを取った結果よりも実際は1~2目緩くなるだろうなという気持ちで編み始めます。
指定のゲージは22目で、ゲージを取ると24目だった。
→この場合は、実際は22目になるから問題ないなと考えます。
ゲージを毎回取るのは、自分の癖を知るため。ゲージと実際の編み地の差を知ることで、自分の思ったサイズを作れるようになります。必ずゲージをとってください!!!
質問5:ゲージを取ったスワッチは、解かずにおいておき、実際の編み地と見比べますか?
自分がデザインするものの場合は、必ず取っておきます。
他の方のパターンを編む時は、私はおいておきません。
最初はおいておくと安心だと思いますが、慣れればなくても大丈夫。慣れると、編んでいる途中に針をどんどん変えてちょうど良いゲージになるよう調整することもできるようになりますよ。
質問6:メリヤス編みのスワッチがくるくるします。端をガーター編みして、平らにした方がいいですか?
伸ばして測ればいいだけなので、くるくるしていても問題ないです。私は気にしません。
やってはいけないのが、忖度すること。
ちょっと引っ張ってみたり、縮めてみたり。指定のゲージに近づけたい一心で、ほんのちょっと動かしてしまう人が多いです。しかし、それはダメです!そのままおいてみて、そのまま測る。それが鉄則です。
質問7:スワッチは水通しをしてからゲージを取りますか?
水通しで縮んだり伸びたりする糸があります。
私は、自分でパターンを書く時、水通しで大きく変化する糸を使う場合は、「縮むので、水通し前と後、両方測ってください」などとアラートを書きます。アラートがある場合は素直に従いましょう。
一般的な糸であれば、スチームアイロンを当てて、当てる前後でどれくらい変わったかをみておくと安心でしょう。
レース編みのパターンは、水通ししてどういう出来上がりになるのか広げて測ってみた方がいいです。
編む前に色々な作業があるのは、面倒で嫌だと思いますが、編み物はかなりの時間をかけて取り組むもの。だから、一日はゲージの日に当ててほしいと思っています。
万全を期すことが、いいものに仕上げるための第一歩です。
質問8:複数の模様が含まれるデザインの時、たとえばメリヤス編みの部分、模様編みの部分、両方スワッチを編みますか?
本当は両方取った方がいいですが、難しいですよね。
パターンに両方のゲージが載っている場合は、基本的にはメリヤスの方を合わせれば模様編みのゲージも合うのだと思います。
パーツごとに模様が異なるデザインは、デザイナーですらゲージをきちんとキープをするのは大変なことです。どこか1箇所でも合わせておくと安心だと思います。
質問9:靴下など輪で編むデザインの時は、スワッチも輪で編みますか?
輪で編む場合と往復編みする場合では、手の加減が変わる人が多いです。
自分がどれくらい変わるのかを知っていれば、往復編みのスワッチで問題ありません。
私は、輪で編むと手がきつくなるという自分の癖を知っているので、往復編みのゲージより実際はきつくなる想定をして編み始めます。
そして、本番より小さい輪のスワッチを編んでも、大きい輪と小さい輪を編む場合の手加減が違うため、確かなゲージを編んでるとは言い難いです。
そのパターン通りの目数をキャストオンして編んでみないと、本当のゲージは分からないものです。
だから、いつも自分は輪編みの時にどうなるのか統計をとっておくことです。
編み物が上達するというのは、想定のゲージで最初から最後まで編めて、いい形に仕上げられるということを指すのだと思います。
そのためには、日々、編んだものを観察をしてデータを蓄積していくこと。
繰り返しますが、自分の癖を知るために最初にゲージを取る行為は非常に大切です。
質問10:他に言い残したことはありますか?
指定糸であればゲージを取らなくていいと思ってる方がいるようですが、手が変わればゲージも変わる。糸がどんなものであれ、頑張ってゲージを取ってくださいね。