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「2008年当時、毛糸ショップで働いていた私は、多くのお客さんが美しいソックヤーンを使って編めるプロジェクトを探していることに気がつきました。そして、初めてレース編みにトライしたい人用のパターンという要望も多かった。私もレース編みは大好きだけど、あまり凝った大きなショールは日常使いできないし、ということでIshbelが生まれました。スカーフのように首にさっと巻くイメージのショールです。トップダウンのシンプルなデザインで、レース初心者がいきなりたくさんの作り目から複雑なレース模様を編まなくてもいいように、メリヤス編みから始まる三角形のものを考えました。首に巻けるようにある程度の幅を出しつつ、あまり三角が深くならないように、という条件は簡単な方法で解決。表側は両端と中央で、裏側は両端で、と2段で6目増目することで、浅く幅広の三角形を作ることができました。この方法はエリザベス・ツィマーマンの言葉を借りるなら、私が考案したというよりは改良したと言えるかもしれません。Ishbelを通じて幅広な三角ショールの使いやすさが世に広まり、今では古典的な形と考えられていることは大変光栄です。
レース模様を考えるうえでは、自分にある制約を課しました。互いが自然に繋がるような2つの小さな模様を組み合わせ、裾がスカラップ型になるようにする、というもの。それまで集めていた模様編み集と睨めっこして、スウォッチを編みながら考えました。貝殻のような形のレース模様の流れるような凹凸がすぐに気に入り、さらに少し手を加えたシェヴロン模様を裾に組み合わせました。
Ishbelはデザインが思い描いた通りにうまく行ったレアケースでした。ただ、最初のサンプルは伏せ目をキツくしすぎました!少し小さくなってしまったサンプルを、尖った部分を手間に垂らして巻いて写真を撮ったら、そのカジュアルな巻き方がトレンドになって驚きました。お店のお客さんや自分の思いをかたちにしてみたら、同じ気持ちでパターンを探していたニッターたちが世界中にこんなにいたのです。」