12月 11, 2025

Hidamari by Ayano Tanaka

Hidamari by Ayano Tanaka

 

デザインの過程で難しかったところや工夫したところはありますか?
今回の地模様は縦格子や障子のイメージから膨らませたのですが、直線で構成されていながら柔らかく落ち着いた雰囲気を出したくてスワッチに時間をかけました。また、糸を2種類引き揃えることで編地に深みがでたと思います。
ラグランカーディガンでさらにトップダウンとなると、複雑な計算になることは覚悟はしていたのですが、それでもやはり、微調整を繰り返す作業はいつにも増して苦労しました。

 

もし違う色で編むなら、何色にしますか?
落ち着いた赤や黄色の暖色系で編みたいと思っていたのですが、テストニッターさんが編んでくださったグレーやブラックの「ひだまり」を見て心移りしています。

 

編み物を始めたきっかけはなんですか?
高校生の時に母の道具を使って一時期だけ体験したあと、社会人になってから本格的に編み物を始めました。ブログ全盛期に編み物の記事を読んで再開、そこからさらにラベリーで編物世界の広さを知って編み物を続ける原動力になりました。初めての編み物を思い返すと、自宅の本棚に古い編み物本を見つけたのがきっかけで、編み図のしくみの解読と、自宅にあった限られた針と糸で本の巻末に掲載されている技法を試して楽しんでいました。「パズルを解いている」そんな感覚だったのだと思います。

 

デザイナーになろうと思ったきっかけはなんですか?
2011年にアメリカのデザイナーShirley Padenさん主催のデザインイベントに参加したのがきっかけです。その少し前からイメージを形にすることはしていましたが、パターン化まではしていませんでした。のちに、彼女の本にデザインイベントで制作した私の作品も受け入れてくださったことが決定的になったと思います。背中を押してくれた友人にも感謝しています。

 

これまでにデザインしたご自身のパターンの中で好きなものを教えてください。
制作したその時の記憶と一緒なので、どれにも愛着があるのですが、なぜか5本指の手袋が好きなんです。手が空くと手袋の事を考えていてライフワークのようになっています。それもあってDots GlovesSeijaku glovesなどの手袋が好きです。