“このデザインはSpincycle Yarnsとのコラボレーションで生まれました。彼らの糸を使ってフェードのデザインをするというチャレンジをもらったのですが、これは思った以上に大変でした。なにしろ、1カセずつが既にフェードになっているのですから！彼らの糸をコントロールすることは不可能で、糸任せにするほかはありません。色と一緒に歩むこと、色の移り変わりをテクスチャでぼやかすことに集中することにしました。この色とテクスチャの遊戯を、着ても楽しいアクセサリとミックスして出来上がったのが、ショール型のカウル。ショールは巻き方が分からないからカウルの方が好き、という人にぴったりです。
本当はショールを作る予定だったのですが、3カセしか使えない制約がありました。サンプルを編むうち、3カセでは私の好きな大きさには到底ならないということが分かり、また考え直し。ショールのように使えて、でも少しの糸で編めるようにするにはどうしたらいいか。そこで思いついたのがこのデザインです。モザイク模様にも時間をかけてたどり着きました。サンプルは編み上がりましたが正直自信はなかったので、こんなに好意的な反応をもらえて夢みたいです。
たくさんの方が繰り返しこのカウルを編んでくれているのを嬉しく思っています。今８個目を編んでいるの、というニッターさんに出会ったこともあります。デザイナーなら誰しも、自分のパターンを編んでくれる人がいるのを喜ぶと思いますが、何度も何度も編んでくれているなんて、比類なき喜びです。特に素敵なのは、編むたびに違うものが出来上がるということ。たとえ同じ色を選んだとしても、人間一人ひとりが異なるように、世界でたった一つのShiftカウルが出来上がるのです。”
Photo courtesy of Andrea Mowry.