6月 01, 2016
Bookish. - Issue 10
Text by Meri
初出: 2016年amirisu 10号
CAPSULE
著者: オルガ・ブラヤ=ケフェリアン
ソフトカバー、128ページ、3,200円
オルガの2冊目の著作が昨年の冬にBrooklyn Tweedからリリースされました。BTのクラシックなスタイルに、オルガのモードな雰囲気がミックスされた、とても美しい本です。
何年も前から計画されていたこの本、なかなか出ないので「もう時代遅れじゃないかしら」という心配も聞いていました。でも心配は無用でした。どのパターンも流行に関係なく、世代に関係なく身につけられるものばかり。
Jujikaというカウル(写真右)、色の組み合わせが楽しめそうで特に気に入っていますが、Cuspポンチョ(表紙)、Tataraリストウォーマー、そしてApexカーディガンなど、構造が面白くて最後まで楽しんで編めそうなパターンばかりです。
パターンがいくつあるのだろう、というくらいデザインされ尽くしたBrooklyn TweedのSHELTERとLOFTですが、この糸の特性を生かしたさらに新しいデザインを生み出す力に感心です。軽い紡毛糸のSHELTER、きついゲージで編むと立体感が出るのを活かし、NobuセーターやTataraなどがデザインされています。非常に軽くて編み地がまったくだれないLOFT、Apexのような大きなカーディガンでも着やすいものが出来上がります。普通の糸で編んだら伸びて大変なことになりそう。意図的にデザインと糸の特性をうまく組み合わせているのが伺えます。
ジャレッドが撮った、ブルックリンの美しい写真も見所。本棚の宝物になりそう。