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この秋に触れてみたい刺繍の本を、4点紹介します。
Text by Meri初出: 2022年amirisu 25号
Embroidery: A Modern Guide to Botanical Embroideryアロウナ・クノラジ Arounna KhounnorajQuadrille (2022)160ページ、 $22.99 USISBN: 978-1787138315
カナダのトロント在住テキスタイルアーティスト、アロウナ・クノラジさんの3冊目の手芸本で、今回は刺繍がテーマ。さまざまな素材や手法を使いこなす彼女、刺繍へのアプローチも彼女ならでは。材料や道具など、刺繍の基本について説明した後は、アロウナが特に気に入っているステッチを紹介する章となっています。よく見かける基本的なステッチに混じって、あまり見たことがない珍しい技法も。いずれも、オリジナリティあふれる方法で使用されているのが面白い。ブロックプリントと合わせた作品や、立体的な作品などが特に気に入りました。
Dried Flower Embroidery: An Introduction to the Art of Flowers on Tulle
オルガ・プリンク Olga PrinkuQuadrille (2021)160ページ、 $22.99 USISBN: 978-1787136823
海外のAmazonで刺繍の本を探しているときに偶然巡りあった本。ドライフラワーやドライリーフを刺繍に使うなんてありえないと最初は思いましたが、この本を読んですっかり考えが変わりました。植物を取り入れた作品作りをするうえで、色々と示唆に富んだ本だと思います。とにかく美しい。素材の集めかたや乾燥方法、そして作品作りのコツなどが豊富な作品例とともに紹介されています。チュール素材を刺繍枠や木枠に張って作り出されるのは、カラフルな花や枝葉がまるで宙に浮いているような作品。インスタでも沢山の作品を見ることができますので、興味を持った方はぜひチェックしてみてくださいね。 Instagram: @olgaprinku
ダーニング刺繍
ミムラトモミ誠文堂新光社(2021)96ページ、 ¥1,400ISBN: 978-4416521854
ダーニングの手法で作られる小さなブロックを組み合わせ、キュートでちょっとコミカルな刺繍を作り出す、ダーニングの応用版といった感じの刺繍本です。基本的な方法はダーニングと同じで、針と糸で織地を生みだすような技法ですが、それに普通の刺繍を組み合わせ、ダーニングをまったく新しいものへと変換しています。私たちが持っているカラフルな余り糸で、早速トライできそうです。
ウール刺繍の愉しみ
樋口由美子主婦と生活社(2022)72ページ、 ¥1,500ISBN: 978-4391158311
国内外で沢山の本を出版している有名な刺繍作家、樋口さんの最新刊。太いウールをメインに据えた刺繍本は2冊目ですが、本書ではより効果的にウールが使われている気がします。より大胆で凹凸のあるモチーフを展開して、大きな作品も作れるということで、ぜひ試してみたいと思います。