4月 08, 2022

Circus Tonic Handmade Yarnsのご紹介

Circus Tonic Handmade Yarnsのご紹介

オーストラリアから届いたCircus Tonic Handmade YarnsFlock Fingering。その美しい発色と滑らかな手触りにすっかり魅了されてしまった、という方も多いはず。今回は、この素敵なブランドについてよりよく知って頂くため、オーナーのHannahにいくつかの質問をしてみました。

amirisu: ご家族とオーストラリア国内を旅している間、少し手染めビジネスを休止していたと聞きましたが、その休暇の前後で何か変化はありましたか?例えば、作り出す色合いが変わったりしましたか?

Hannah: 家族でキャラバンに乗ってオーストラリアを旅できたことはとても幸せなことでした。

以前経営していたシドニーの染色スタジオを畳んだので、旅の間は子供達の勉強道具の片隅に置いたとても小さなバスケットに入っている毛糸だけで過ごしていかなければなりませんでした。だってオーストラリアの奥地には毛糸屋なんてなくって!

旅のほとんどの時間はQueenslandとNorthern Territoryで過ごしたので、あらゆる自然を満喫しました。みずみずしく茂った牧草地、岩が多く一面赤色の砂漠、熱帯の楽園のような場所、険しい山や古くからある渓谷、ユーカリの茂った林など...それに動物もたくさんいました!実は、旅行中はCircus Tonic Handmadeを再度始めようとは思っていなかったのですが、そんな景色に触れる度に ”ああ、これを糸に染めたら素敵な色になるだろうな”と思わずにいられませんでした。そして旅が予定より早く唐突に終わり、仕事を見つけなくてはならない状況になると、ほんの数日でスタジオを作って染色を始めていました。以前の経験を活かし、より効率性の高い職場を作ることができました。

一番変わったことといえば、この間に以前使用していた色のレシピを書いた本をなくしてしまったこと。すべて1から始めなくてはなりませんでしたが、旅から得たインスピレーションで染めた糸は、深みがあり楽しくフレッシュな色ばかりだったので、とても良い再出発になったと思っています。  

amirisu: どのようにして色を決めていますか?そして、今一番気に入っている色はどんな色ですか?

Hannah: 私の染める色はすべて何かしら自然からインスピレーションを受け、コレクションを作り出す為の魅力的なパレットを探し出します。もちろんその季節のファッショントレンドを見て人気の色を探ったりもしますが、必ずそれを自然と結びつけて考えます。

コレクションを染め始める時には、まず糸のベースを決め、そのベースに合わせて進めていきます。Carnival DKのようなノンスーパーウォッシュの素朴な糸は、単色の上に艶をのせるように色を重ねて深みを出します。これらは主にセーターや衣類を編む糸として使用し、グレーや茶、またくすんだピンクなどが合います。

一方、靴下やモダンなショールを編むようなナイロン混のスーパーウォッシュの糸には、たくさんのスペックルやパッと明るい色でコントラストのある色合わせを楽しんでいます。このような色は、色数が虹色のように揃う宝石から見つけたり、文学的なテーマや20世紀初頭の印象派の画家の作品にフォーカスを当ててみたりします。一番新しい色は海王星からインスピレーションを受けたんですよ!

私は長年分子生物学を勉強してきたので、迷った時には科学や動物や植物についての古い本を見ることもあります。オーストラリア原種の古い植物画や古い地図もよく参照にするものの1つです。 一月毎のClubでは常に蝶々や昆虫といった楽しいテーマに沿った色を出しています。

 

amirisu: オーストラリア産の糸にはどんな特徴がありますか?

Hannah: オーストラリア産のメリノベースのGibraltar Fingering/ DKやAustralian Cloverleaf CorriedaleベースのGala Fingering/ DKには洗練されたニュートラルな色、例えば砂や嵐の時の空模様にみられるような色が合います。これらの糸は繊細なショールなどに合うと思います。

動物や環境に配慮しながら羊を飼い、糸を生産しているオーストラリアの小規模な農場とも良い関係を築いています。

amirisu: 今住んでいる場所のことや、日々のことを教えて下さい. 

Hannah: 私の染色スタジオは日々忙しくなってきていて、それは本当に素晴らしいことです。新しいアデレードの家は湿気がほとんどないので、糸がとても早く乾きます!大体朝一番で、前日に染めた糸を洗って乾かし、コーヒーを飲んでから発送作業をします。

染色には大きな20Lの鍋と、教務用のラックオーブンを使い、染料は色別に頭上の棚に入れてあります。その日の仕事や予定をノートに鉛筆で 書き、夜子供達が寝静まった後には少し編み物をしたいと思っています。また最近はSNSで日々の様子を紹介して、新しいお客様に知って頂きたいと考えています。

幸運なことに、家の周りはとても綺麗な場所なので、海までの散歩も日課にしたいと思っています!