スローなビジネスのはじめかた 6 - 1足す1は2ではない

7月 05, 2019

今回は、人を雇うことについてお話ししたいと思います。

「1足す1は2ではない」というのは、スタッフが増えるにつれていつも私たちが感じていることです。これには、色々な意味があります。

でもまず、amirisuが初めてのスタッフを迎えた時のことを振り返りましょう。

amirisuを始めて以来、アシスタントが欲しいというのが私たちの夢でした。大して稼いでもいないのに、もう誰か雇いたいと話すのが私たちらしい。そもそもは、私がフルタイムで働いていたので、細々としたことをすべてトクコさんがやらなければならなくて、誰かいたらいいのになというのがありました。

お店を始めてから、最初は週に3日しか開店していなかったので残りの3日は他の仕事ができたのですが、入荷量が増え、オンラインショップの発送が増え、そして閉店日にもお客様が訪ねてくるようになると、2人では到底回せなくなりました。そこで、知り合いの方に発送を手伝ってもらうことにしました。週に何日か、お店番をしながら発送もやってくれることになり、私たちはお店から少し自由になりました。外に打ち合わせに出かけて行ったりできるようになったのです。

でも、初社員を雇う日は意外にすぐにやってきました。トクコさんが東京に教えに行っている間の作業量が多くなりすぎて、回せなくなってきたのです。事務作業の量も、なかなかのものでした。とはいえ、ここはamirisuの分かれ道でした。自分たちの給料も保証できないなか、フルタイムの社員を入れるのには大変勇気がいりました。その人の人生も掛かった問題です。「夢のアシスタント」なんて冗談めいてずっと話していましたが、実際に人を雇うとなると、そんな浮かれたことは言っていられなくなりました。これだという方に声を掛け、1ヶ月くらいじっくり考えてもらいました。こんな会社に来て本当にいいのか。

数ヶ月後、晴れて初社員を迎えました。東京店開店のためにしばらく東京出張に行ったりできたのも、彼女のお陰です。

人を雇うときに考えなければいけないのは、1人が2人になっても、売り上げは決して倍にはならないということです。(決してというのは正しくないですね、きっとネイルサロンのようなところなら、なります。でも物販は難しい。)そういう意味で、1足す1は2ではありません。それなのに、お給料というコストは2人分になります。

でも2人いると、できることが倍どころか、何倍にもなります。2人の相乗効果で新しいアイデアが生まれたり、人脈が広がってチャンスができたり、単純な作業量だけではない問題です。その意味でも、1足す1は2ではありません。売り上げというのは、同じように同じものを売っていたらだんだんと下がってくるものなので、この広がりは必要不可欠だと思います。

人を雇うときに、気の合う自分と同じタイプの人を増やしたがる人がいますが、これは危険です。それではできることも倍にはならないし、人脈も広がりません。同じ仕事が得意だと、仕事の分担が難しくなります。自分と違うから、価値があるのです。できることも、発想も、普段付き合う仲間(人脈)も違う。最近ダイバーシティー(多様性)というのがビジネスでもキーワードになっていますが、2人、3人の小さな会社にとってダイバーシティーは特に必要だと思います。仲の良い友人を雇わない方がいい理由は、ここにもあります。

そんなことを考えながら、もしフリーランスや自営業で何かやってらっしゃるようだったら、スタッフを迎えてみるのも手かなと思いますよ。私たちはよく、色々な方にオススメしています。もちろん責任は重大ですが、自分の健康と次の一歩のために。